本研究の目的は,2011年のチャオプラヤ川洪水において被災した産業集積地に焦点を当て,長期的な視点から工業団地地域社会的脆弱性の変化やリスクを明らかにし,問題点を抽出,解決案を提案することによって,将来の持続可能な産業集積地地域社会の構築のために資することにある。研究方法は,マクロ的な視点からミクロ的な視点までを考慮に入れて,統計データ解析,質問紙,及びインタビュー調査を採用した。研究結果として,地域の社会的脆弱性の特定及びその変化について,県レベルから工業団地周辺のコミュニティレベルまで,分析し,そのギャップ及び課題を明らかにし,今後の災害対策への参考となる処方箋を提示した。