2011 年 42 巻 1 号 p. 7-12
メデトミジン(MED)が引き起こす体温低下に対して加温輸液を静脈内投与することの効果について健康なイヌを用いて検討を行った。生理的食塩液(control)あるいはメデトミジン40 μg/kgを筋肉内投与し、同時に10 ml/kg/hrでリンゲル液を室温(RT)あるいはアニメック(ANI)、メディテンプ(MEDI)という二種類の加温装置を用いて4時間の静脈内投与を実施した。MED-ANI群では体温低下が僅かに緩和される傾向がみられたが、加温しない群と比較して統計学的に有意な差は認められなかった。結果から、イヌにおいて本条件での加温輸液の投与はメデトミジンによる体温低下を有意には抑制しないことが示された。