抄録
10ヵ月齢の雌日本猫が, キシラジン・ケタミン麻酔下で, 子宮卵巣全摘出術を受けた翌日から, 粘稠泡抹状の流涎および, 給水給餌直後の嘔吐を繰り返し, 著しい脱水と削痩を呈して上診された。
臨床所見およびX線検査により, 麻酔後の逆流性食道炎に起因する食道狭窄が疑われたため, 発症約1ヶ月後に食道拡張術を行い, 食道チューブの留置を試みた。術後翌日には, 猫にチューブを抜管されたが, 後肢のみで立たせた状態での給餌により, 嘔吐はみられなかったが, まもなく症状が再発し, 再度の試みも成功しなかったため安薬死を行った。剖検後の病理組織学的検索においては, 亜急性, 肥厚性食道炎の所見が, 認められた。