獣医麻酔外科学雑誌
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緑内障罹患猫における眼内義眼挿入の1例
長谷川 貴史
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キーワード: , 緑内障, 眼内義眼
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1998 年 29 巻 4 号 p. 111-115

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抄録

2歳齢, 雌の雑種日本猫が左右の前部ブドウ膜炎と左の閉塞隅角緑内障に罹患した。両疾患はプレドニゾロン, ジクロフェナミド, チモロール等によって同時に治療された。前部ブドウ膜炎は治癒したが, 内科療法で眼圧を完全に制御することはできなかった。そこで虹彩切除術を実施したところ, 術後約300日間眼圧を良好に制御することができた。しかし, その後再度眼圧が上昇するとともに視覚消失が確認された。初診より668日目に緑内障罹患眼に対して眼内義眼挿入術を実施した。本手術は, 動物には生活の質の向上を, 飼い主には介護負担の軽減をもたらした。眼内義眼挿入術は視覚の消失した緑内障眼の一対処方として有用であることが示唆された。

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