かなり良いといわれる現在の日本人の栄養状況も, 各種の社会生態学による集団としてみると, 各々の食事構造には差があるものと考え, 本研究を行なった。対象は某短期大学生とその家族466名, 1978年10月中の3日間の食物摂取量を18食品類ごとに調査し, 各食品類の1人1日摂取量を求めた。社会生態学的要因は年令・性とし, 青年男子・青年女子・成人男子・成人女子の4集団とした。18食品類の摂取量を変量として, 集団全体の主成分分析を行ない, この集団の食事を決定する要因として和風食対洋風食, 軽い食事対重い食事の2つの主成分を抽出した。ついで各人の主成分値を4集団ごとに検討した結果, 4集団相互に主成分値の平均値に有意差がみられ, 年令・性による食事構造のちがいを明らかにできた。