日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
日本小動物獣医学会誌
ブドウ摂取後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1例
伊東 輝夫西 敦子池田 文子串間 栄子串間 清隆内田 和幸椎 宏樹
著者情報
キーワード: 急性腎不全, , ブドウ摂取
ジャーナル フリー

2010 年 63 巻 11 号 p. 875-877

詳細
抄録
3歳,雄,体重2.5kgのマルチーズが,種なし小ブドウ約70グラムを食べた5時間後から始まった嘔吐と乏尿を訴えて摂取2日後に来院した. 血液検査では重度の高窒素血症,高カルシウム血症,高リン血症,および高カリウム血症が認められた. 利尿剤,ドパミン,点滴による治療を3日間試みたが無尿となり,ブドウ摂取4日後に死亡した. 腎臓の病理組織検査では近位尿細管上皮細胞の著しい変性壊死が認められた. これらの臨床および病理組織学的所見からブドウ中毒と診断した.
著者関連情報
© 2010 公益社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top