日本獣医師会雑誌
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日本小動物獣医学会誌
国内における犬呼吸器感染症の病原学的調査
勢籏 剛若月 章増渕 勝夫高橋 拓男国分 輝秋
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2010 年 63 巻 7 号 p. 538-542

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抄録

国内の呼吸器病罹患犬119頭について,PCR法により犬アデノウイルス2型(CAV-2),犬パラインフルエンザウイルス(CPIV),Bordetella bronchiseptica(Bb),犬ジステンパーウイルス(CDV),犬ヘルペスウイルス,犬呼吸器コロナウイルス(CRCoV)遺伝子の検出を試みた. 1種類の病原体遺伝子が検出された47頭のうち,Bbが15頭と最も多く,次いでCRCoV,CPIVの順に検出された. 複数の病原体遺伝子が検出された16頭についても,Bb とCPIV,CRCoVの検出率が高かった. これらの結果からBbとCPIV,CRCoVが単独または複合して犬呼吸器感染症(ケンネルコフ)の発生に関与することが示唆された. また,CAV-2とCPIV,CDVの検出率は,ワクチン未接種犬に比べ接種犬で低い傾向にあり,その効果が示唆された.

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© 2010 公益社団法人 日本獣医師会
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