日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
小型犬における腹部造影CT の撮像プロトコールの検討
久楽 賢治浅野 和之北川 勝人伊藤 大介手島 健次中山 智宏亘 敏広田中 茂男
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キーワード: , CT, 増強効果
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2011 年 64 巻 5 号 p. 385-389

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抄録

小型犬のCTにおける造影剤の体内動態について49頭の犬を対象とし,造影剤投与量,投与時間,留置針径における条件別に5群に振り分けて検討した.動脈では,平均輝度上昇開始時間(Tup)はすべての群において12秒前後でみられたが,最大輝度到達時間(Tpeak)とその時のハンスフィールド値(HU)は,群によって異なった.後大静脈におけるTupは20秒前後に現れ,Tpeakは33~39秒に集中していた.門脈のTupは22秒前後に現れ,Tpeakは40~45秒に集中していた.後大静脈と門脈の最大輝度のHUは投与量に依存していた.本研究におけるデータは体重や心拍数と相関しなかった.今回の研究のプロトコールを使用することによって,小型犬の造影CTの増強効果を客観的に評価できることが示唆された.

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© 2011 公益社団法人 日本獣医師会
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