日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
岐阜大学における組織球肉腫好発犬種の動向について
塩川 友里菜森 崇星野 有希伊藤 祐典野口 俊助酒井 洋樹柳井 徳磨丸尾 幸嗣
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2013 年 66 巻 5 号 p. 321-324

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抄録

組織球肉腫は多様な犬種で報告されるが,欧米ではバーニーズ・マウンテン・ドッグ,フラットコーテッド・レトリーバー,ロットワイラー,ゴールデン・レトリーバー,ラブラドール・レトリーバーに好発することが知られている.2010年4月から2012年4月に岐阜大学附属動物病院を受診した組織球肉腫の犬24例について調査したところ,最も症例数が多かった犬種はウェルシュ・コーギー・ペンブロークであった(8例).組織球肉腫の発生頻度を示すオッズ比は,フラットコーテッド・レトリーバー(25.20),バーニーズ・マウンテン・ドッグ(17.92),ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(5.41)で高かった.ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは他の2犬種よりも発生リスクは低かったが,組織球肉腫の発生数はこの2犬種よりも多かった.ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは日本における飼育頭数が多いため,発生数が多いという点で臨床上重要であると考えられた.

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