ワクモの駆除を目的とした市販のカーバメイト系製剤3剤,ピレスロイド系製剤1剤,有機リン系製剤3剤,ハエの駆除を目的とした市販のピレスロイド系製剤2剤,ピレスロイド系と有機リン系の合剤2製剤を用いて,2007~2013年の7年間ワクモの薬剤抵抗性出現について調査した.7年間の調査結果は2007~2010年の4年間と2011~2013年の3年間に分けて集計した.前半の4年間は1道1府30県139農場,後半の3年間は29県119農場から採取したワクモを用いて調査した.ワクモの抵抗性はすべての殺虫剤に対して認められたが,カーバメイト系のカルバリル,有機リン系のトリクロルホン,合剤のフェニトロチオン・ペルメトリン・フタルスリンでの出現率は,他剤に比べて低い傾向にあった.また,ワクモの駆除を目的とした3系統の薬剤のすべてに抵抗性をもつワクモの出現がみられた農場は,前半の4年間では19/139(13.7%)農場,後半の3年間では22/119(18.5%)農場であった.