2017 年 70 巻 10 号 p. 659-662
口腔スピロヘータは歯垢に存在し,位相差あるいは暗視野顕微鏡下では特徴的な形態並びに運動性によってスピロヘータは容易に区別される.犬においての歯周病の原因菌の一種として考えられている.本研究は歯周炎を伴う犬(平均8.4歳,33頭)の歯垢を,位相差顕微鏡を用いて観察した.歯周炎で,高値に検出される口腔内スピロヘータが観察された症例に対してマクロライド系抗菌薬アジスロマイシンを7日間経口投与により臨床効果を検討した.その結果,口腔内スピロヘータは本実験で減少することが明らかとなった.そして,投薬前後に比較して,歯肉炎,歯垢付着,口臭の改善が認められた.以上から,口腔内スピロヘータが認められた歯周炎に対して,アジスロマイシンの投与は有効であると考えられた.