日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
北海道における牛パラインフルエンザウイルス3型の分子疫学的解析と迅速診断法の検討
尾宇江 康啓榊原 道子成田 雅子佐藤 雄太菅野 徹
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2017 年 70 巻 6 号 p. 363-369

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抄録

2012年4月〜2014年9月に北海道釧路管内で採材した牛呼吸器病発生事例76例の検査牛283頭及び健康牛検査15例の検査牛99頭の鼻腔スワブについて牛パラインフルエンザウイルス3型が標的のRT-PCRとウイルス分離を実施した結果,8例17頭が遺伝子陽性,7例14頭が分離陽性であった.分離株7株のP,N,M,HN遺伝子の解析の結果,5株がgenotype A(BPIV3A),2株がgenotype C(BPIV3C)に分類され,BPIV3Aは既知株を含め4つのサブグループに細分類された.また,既存のプライマーはBPIV3Cの検出が困難であるため,BPIV3AとBPIV3Cの両方を検出可能なプライマーとBPIV3Cのみを検出するプライマーを設計し,いずれも特異性及び感度の両面で十分な実用性があることを確認した.

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