日本獣医師会雑誌
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犬の全身性強皮症様疾患の1例
早崎 峯夫大石 勇
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1987 年 40 巻 6 号 p. 455-458

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抄録
秋田犬 (雄, 3才, 体重18kg) に全身性強皮症に類似した皮膚変化がみられた.特徴的異状所見は, 仮面様顔貌, まばたきおよび開口の困難, 木馬様歩行であった.開口の程度は, 口吻先端で約5cmで, 舌の運動も障害されていた.しかし, 食欲, 元気は正常であり, 採食も時間をかけて必要量を採ることができた.被毛, 皮膚表面, 眼, 粘膜, 筋肉, 関節, 骨, 耳および性格に異常を認めなかった.皮膚の生検にて, 膠原線維の著明な膨化増生や, 汗腺, 皮脂腺の萎縮が認められた. 臨床病理学的検査では, 抗核抗体とCRPは陰性, 副腎機能検査では, ソーン試験における好酸球数減少率は56.5%と, 軽度な機能低下が示唆された.
症例犬は, 病態観察中, 第104日に腸捻転と腹膜炎により突然死亡した.
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