1995 年 48 巻 6 号 p. 400-403
1992年8月岐阜県下の23,000羽飼養採卵養鶏場で, 90日齢大雛 (3, 500羽) に貧血症が発生した. 発病例のヘマトクリット値は6-11%, 低γ-グロブリン血症を呈し, 剖検で皮下, 骨格筋の点状出血, 骨髄の黄色化がみられ, 組織学的にはリンパ組織におけるリンパ球消失がみられた. 病鶏の肝臓から鶏貧血ウイルス (CAV) が分離されたが, 抗体検査ではCAVをはじめ主要鶏病ウイルスに対する抗体が検出されず, 免疫不全が発症の要因であることが示唆れた.