日本獣医師会雑誌
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SPF猫にみられた腰痿例の病理組織学
千馬 智味戸 忠春御領 政信岡田 幸助
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キーワード: , 腰痿, 中枢白質変性
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1995 年 48 巻 9 号 p. 677-681

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抄録

後肢のふらつき, 起立困難, 痛覚消失などの腰痿症状を示したSPF猫6頭について病理組織学的に検索した. 病変は中枢神経に主座し, 脊髄白質では髄鞘の空胞化・膨化がみられ, アストロサイト, マクロファージの反応, 二次的な軸索崩壊などをともなっていた. 病変の分布および程度は, 腰髄, 胸髄で強く, 頸髄では比較的軽度であった. 病変の強さと腰痿症状のそれとは相関していた. 大脳白質では, 脂肪顆粒細胞の囲管性集簇とアストログリオーシスが認められ, 腰痿症状を示さなかった例で強く発現していた.

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