日本獣医師会雑誌
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乳牛の全身性リポフスチン沈着症の4例
大藤 進
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1999 年 52 巻 9 号 p. 588-592

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抄録

廃用と殺されたホルスタイン種乳牛 (4歳8カ月~7歳) 4例が全身性リポフスチン沈着症と診断された. ほとんどすべての骨格筋, 心筋, 肝臓, 腎臓, 副腎, 小腸筋層および大脳皮質の褐色化が認められ, 組織学的に, 多くの臓器・組織の細胞に, PAS陽性, Sudan黒B染性, 抗酸性で, 黄橙色蛍光を発する微細あるいは粗大なリポフスチン顆粒が沈着していた. 全例の小腸筋層平滑筋線維, 3例の横隔膜筋線維, 1例の心筋線維には, リポフスチン顆粒に混じて好酸性顆粒あるいは硝子様. 滴状物 (径14μm) が認められた. さらに3例の横隔膜筋では, 筋線維中央に位置する自家食胞が観察された. 色素沈着を示した神経細胞周囲に膠細胞反応は認められなかった.

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