日本獣医師会雑誌
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乳牛におけるGnRHとPGFおよびhCG投与による排卵同期化および定時人工授精の検討
佐藤 太郎中田 健長井 太一木村 仁徳藤原 信子梅田 雅夫古川 武士森好 政晴澤向 豊
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2003 年 56 巻 5 号 p. 316-319

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抄録

牛の排卵同期化・定時人工授精法 (TAI) であるOvsynchにおいて2回目のGnRHを安価なhCGに変更する方法の排卵同期化および受胎に及ぼす効果について検討した. 実験1ではホルスタイン種経産牛を発情周期により3群に区分し (発情後5~6日, 10~11日および15~16日, 各群: n=5), GnRH-PGF-hCG (hCG: 3,000IU) を実施した. その結果, 全群で排卵を高率に同期化できた. 実験2ではホルスタイン種経産牛を無作為に2群に分け, GnRHPGF-hCG (n=42) あるいはOvsynch (n=41) を実施したところ, 受胎率はそれぞれ52.4%, 51.2%であった. 薬剤のコストは703円/処置, 1, 533円/受胎を削減することが可能であった. 以上の成績より, Ovsynchの2回目のGnRHをhCGに変更することにより, 受胎率を低下させることなく, より安価に排卵同期化とTAIを実施できることが明らかになった.

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