日本獣医師会雑誌
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沖縄県におけるレプトスピラの保菌動物調査
中村 正治平良 勝也大野 惇増澤 俊幸角坂 照貴川端 寛樹小泉 信夫藤田 博巳
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2004 年 57 巻 5 号 p. 321-325

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抄録

沖縄県におけるレプトスピラ保菌動物の現状を把握することを目的として小型哺乳類のレプトスピラ保有状況調査およびイノシシの抗レプトスピラ抗体保有調査を実施した.小型哺乳類の調査において, 219匹中9匹 (クマネズミ3, オキナワハツカネズミ3, ドブネズミ1, リュウキュウジャコウネズミ2) からレプトスピラが分離され, 分離率は4・1%であった.分離株の血清型は, 7株がjavanica, 1株がhebdomadis, 1株がcastellonisと推定された.イノシシの調査においては, 7つの血清型のいずれかのレプトスピラに対して51%(67/131) が顕微鏡下凝集試験で陽性であった.このことから, イノシシは沖縄県における重要なレプトスピラ保菌動物の一種であると思われた.血清型別では.hebdomadisに対する抗体陽性率が最も高く, 我々が1998年および2000年に実施した同地域における一般住民の抗体調査と同様な結果であった.

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