26 巻 (1964) 6 号 p. 295-314_5
我々は研究の初期には, 野外材料から CAM への病原分離が極めて困難であり, 試験接種牛および家兎の皮膚発痘が vaccinia virus 感染のそれにくらべて小さく且つ周囲に拡がる傾向があり, これらの発痘部から CAM にウイルスの分離が出来ず, さらに試験牛の交叉防禦試験の成績等から見て所謂 Strong yloplasma paravaccinae のようなものが原因かと考えた. しかし前報で述べた経過を辿り HeLa 細胞または CAM にとり出したウイルスの諸性状は, 本文に詳述したように vaccinia virus (Pox-virus officinale) と区別出来難いものである. 臨床上牛痘所見を呈したものから痘瘡群ウイルスを分離しえたので本症を牛痘と称ぶことにする.