35 巻 (1973) 3 号 p. 175-181_2
若鶏におけるロイコチトゾーン病の病理組織像を把握し,その本態をよりよく理解する目的で,本研究を行なった.検索材料は,1961年7, 8月に,4カ所の養鶏農家(A-D)で自然発生した,4~6カ月令,白色レグホーン種,雌若鶏であった.18羽の検索例中,16例は殺倒,2例が斃死例である.疫学的には,発病群中の斃死例数が少ないことが注目された.病理組織学的には,多数例(15例)の全身諸組織にわたって,メガロシゾントが認められた.しかも,それらの大部分の例(14例)では,組織反応としての異物巨細胞形成を伴っていた.それらの寄生体数は,4例を除き,概して少数であった.メロゾイトは,3例においてわずかに認められ,メガロシゾントから放出されて,その周辺組織に位置していた.初期シゾントは,わずか2例の肝または牌に少数認められたに過ぎず,間葉性細胞原形質内,あるいは数個の細胞の大きさに集積した微細顆粒として観察された.以上の所見は,既報の幼雛例のそれと比べ,受身病変としての充・出血,水腫,および防衛反応としての間葉性組織増生が,劣勢であった.これは,自然発生例における,宿主の年令差にもとづく感染率の差によるものであろうと考えられた.なお,共存病変として,胚細胞肉腫,コクシジウム感染,漿膜炎,その他の病変が指摘されたが,これらと本病との関連については,深く言及しなかった.