日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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牛の乳房皮膚結核から分離された抗酸菌について
谷地田 俊介清水 亀平次広瀬 恒夫佐藤 基佳
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35 巻 (1973) 5 号 p. 357-365

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抄録

清水は,さきに2例の牛乳皮膚結核を報告したが,抗酸菌の分離は失敗に終わっている4).最近再び新得町で2例,豊頃町で3例,計5例の同症に遭遇した.病変は主として乳房下部~乳頭移行部付近にあって,1~7個の小豆大~小児挙大の硬結として触知され,あるものは自潰し,膿汁を排出する.塗抹標本では多数の抗酸菌が認められ,病理組織上,膿瘍形成を伴う結核病変と診断された.採取した材料は2%NaOHで処理した後,各種の結核菌用培地に移植し,25,30,および37°Cで培養したところ,5例中1例で,25°Cに納置した培養から,遅発性の抗酸菌計4株を分離することができた.同菌株はマウスに対し軽度の病原作用を示すが,ウサギ,モルモット,ニワトリには,ほとんど病原作用を欠く.牛に対する接種試験も実施したが明確な成果は得られなかった.本菌は黄色色素を産生し,至適発育温度は25~30°Cであった.各種の生化学的性状から,これらの菌株はいずれもRUNYONのグループエIScotochromogenに所属するものと思われるが,同群の既知血清型であるMycobacteriumscrofulaceum,GauseおよびLunningとは,交差凝集反応を呈することがない.またこれら4株のうち7株は,アミダーゼテストおよび4株間相互の交差凝集反応から,他の3株と明らかに区別される.その同定には,今後さらに詳細な検討を必要とするものと思う.

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