抄録
5週齢の豚を用い, H.pleuropneumoniae(Hpn)serotype2・SH-15株及び1536株で調整した不活化ワクチンの防御能を検討した. ワクチン注射豚の約80%は, ワクチンに使用した株の気管内攻撃に耐過した. 耐過豚では, 限局性の出血性肺病変が認められ, 少量の攻撃菌が肺病変部から回収された. 重度な肺病変の形成は, 死亡豚で認められ, 多量の菌が肺病変部, 心血, 及び腹腔液から回収された. なお, 補体結合(CF)抗体価は, 注射豚の生残率とよく相関することから, CF試験はHpnの防御効果の判定の一つになりうると思われた.