抄録
3種両生類における糸球体傍装置(JGA)の構成要素,レニン含有(RC)細胞の分布ならびにその超微形態を観察した. JGAは輸入,輸出糸球体細動脈ならびにRC細胞からなり,糸球体外血管間膜は存在しなかった. 緻密斑様構造物はウシガエルのみにみとめられた. RC細胞は輸入血管に沿って広く存在していたが,輸出血管にはみとめられなかった. アフリカツメガエルにおいて,RC細胞は糸球体内部に多数みとめられた. 超微形態学的に,本細胞の果粒にはときに融合像(集塊果粒を含む)がみられ,小型小胞と大型有芯小胞を含む多数の無髄神経線維が外膜側にみとめられ,一部本細胞の陥凹部に侵入していた. これらのことから,両生類は魚類と鳥類,哺乳類との中間的JGA構成を有することが明らかとなった.