抄録
肥育期の肉牛ではレチノールの必要量が増加すること, 肥育牛の筋肉の脂肪交雑にレチノールが関与していることが示されている. 実験動物にウサギを用い生体脂質に対するレチノールの影響について検討した. レチノールの1.5万または15万IU/kgを4日目毎に48日間連続投与し血清脂質成分を測定した. その結果, 1.5万IU/kg投与ではレチノールの影響は殆どみられなかった. 15万IU/kg投与では血清中の総脂質, トリグリセライド, リン脂質, コレステロール, 不飽和脂肪酸が増加し, とくに, 多価不飽和脂肪酸, 過酸化脂質が著しく増加した. レチノールの多量投与による血清脂質に対する酸化への影響が示唆され, さらに, レチノールの多量投与により脂質成分の質的変化がおこる可能性が推察された.