Journal of Veterinary Medical Science
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Eimria tenellaのメロゾイトおよびオーシスト抗原を用いたELISAによる感染ニワトリ血清抗体の検出
Hasbullah中村 貴史川口 陽資中井 裕扇元 敬司
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1992 年 54 巻 2 号 p. 201-206

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抄録

Emireria tenellaを実験感染させたブロイラーとSPFレイヤーの血清中抗体を胞子形成オーシストおよび第2代メロゾイトから調製した可溶性抗原を用いたELISAで検出した. 15日齢で1回感染をした場合, ブロイラーではいずれの抗原に対しても接種19日後から急速にELISA価が上昇し, オーシスト抗原では29日後, メロゾイト抗原では32日後に最大に達した. SPFレイヤーでは接種7日後からELISA価が上昇しはじめ試験終了まで緩やかに上昇を続けた. また, ブロイラーに対してメロゾイト抗原を用いた場合, オーシスト抗原より明らかに高い値を示した. 一方, 1および15日齢で2回感染をした場合, メロゾイト抗原に対するブロイラーのELISA価は2回目の接種後急速に上昇して11日後に最大に達した. SPFレイヤーでは2回目の接種20日後にELISA価は最大となった. 2回感染の場合も1回感染の場合と同様にブロイラーのメロゾイト抗原に対するEL-ISA価はオーシストに対するものより有意に高かった. いずれの感染実験においてもメロゾイト抗原を用いた場合, ブロイラーのELISA価はSPFレイヤーのものより有意に高かった. また, 母親からの移行抗体はブロイラーにおいて比較的高く検出されたが, 徐々に下降して行き10日齢で無視できるレベルになった.

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