イヌのミトコンドリアDNA多型を14種類の6塩基認識制限酵素を用いて検討した. その結果, Apa I, EcoR I, EcoRV, Hinc IIおよび Sty I の5種類の制限酵素で多型は検出された. しかし, BamH I, Bgl II, Hae II, Hind III, Pst I, Sal I, Stu I, およびXba Iの9種類の制限酵素では検査した20例全てで同一の切断パターンを示し, 多型は観察されなかった. 検査した20例のイヌは制限酵素を用いたミトコンドリアDNA多型の組み合せにより7つのタイプに分類された. 各タイプ間の遺伝距離より系統樹を作成したところ, イヌのミトコンドリアDNAは少なくとも2つのクラスターに分類されることが明らかになった.