Journal of Veterinary Medical Science
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日本で分離されたオーエスキー病ウイルス株の制限酵素切断パターン, マウスに対する病原性およびチミジンキナーゼ活性による性状分析
柴田 勲浅井 鉄夫明石 博臣稲葉 右二
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1992 年 54 巻 3 号 p. 523-528

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抄録

1981年から1989年に日本で分離された24株のオーエスキー病ウイルスについて, 制限酵素切断パターン, マウスに対する病原性およびチミジンキナーゼ(TK)活性により性状の比較分析を行った. プラッククローニングした24株の制限酵素切断パターンはすべてHerrmann et al. (1984)が分類した4タイプのうちタイプIIに属していた. これらの株は切断フラグメントの数と移動度の違いにより制限酵素Bam HIで7グループ, Kpn Iで9グループ, BstW IIで3グループおよびSal Iで2グループに分かれた. 野外分離株の疫学調査には特にBan HIとKpn Iが有用であることが示された. すべての分離株がマウスに対する病原性を示し, そのPFU/LD50値は6.9から63.0であった. 他の株と異なる制限酵素切断パターンを示したNagano S87株はマウスに対して最も病原性が強かった. 一方, ara-T耐性, TK陰性の作出株はマウスに対して病原性を示さなかった.チミジンプラックオートラジオグラフィーによりTK活性を調べた結果, すべての分離株に活性が認められた.

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