1992 年 54 巻 4 号 p. 707-710
A. pleuropneumoniae血清型1型菌株に対する2クローンのモノクローナル抗体, lMAb-1及びlMAb-5, を作製し, それらの性状を調べた. ELISA-阻止試験において, lMAb-1は血清型1型菌株とのみ反応し, capsular polysaccharide(CP)のNaIO4感受性抗原部分を認識することが確認された. 一方, lMAb-5は血清型1, 9及び11型菌株と同程度に反応し, その認識抗原は血清型1, 9及び11型菌株由来のlipopolysaccharide(LPS)のO-polysaccharideに存在した. 以上の成績から, CPはA. pleuropneumoniaeの血清型特異性に関与する抗原の一つであることが示された. また, 血清型1, 9及び11型菌株由来のLPSのO-polysaccharideは, これら菌株間の交差反応に関与する抗原であることが判明した.