Journal of Veterinary Medical Science
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乳牛の分娩後子宮修復遅延例に対する灸の効果
是松 潔高木 英守河部 崇司中尾 敏彦森好 政晴河田 啓一郎
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1993 年 55 巻 4 号 p. 613-616

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抄録

乳牛の分娩後子宮修復遅延例に対する灸治療の効果を明らかにする目的で, 分娩後21-35日の間に2回の生殖器検査を行い子宮修復が遅延していると診断された48頭を用いて臨床試験を行った. このうち16頭を灸群, 17頭をPGF2α群, 15頭をアンピシリン群とした. 灸群には卵巣圧痛点, 子宮圧痛点の計12ヵ所の経穴に3日間連続して灸を行った. PGF2α群にはPGF2α25 mgを1回臀部筋肉内に注射した. アンピシリン群にはアンピシリン500 mgを1回子宮内に注入した. 各治療は2回目の検査直後より行った. 各治療群の子宮修復に及ぼす効果を, 子宮頸の幅, および妊角と不妊角の幅の差の減少程度で比較した場合は, 各群の間に差は認められなかったが, 子宮頸管粘液性状異常例の出現率, 細菌検出率の減少では灸群は他の2群よりも効果が劣る傾向がみられた. 乳汁中のProgesterone濃度の変動から卵巣静止と判定された例のうち, 治療後4週間以内に卵巣機能の回復がみられたものの割合は, 灸群が最高であった. 治療後の繁殖成績を分娩後初回AIまでの日数, 初回AI受胎率, 分娩後受胎までの日数で比較した場合灸群とPGF2α群でほぼ同等の成績であったが, アンピシリン群は両者より劣る傾向があった.

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