Journal of Veterinary Medical Science
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ブタ卵子の発育鶏胚羊水内での培養による核と細胞質の成熟(短報)
Ocampo Marlon B.Oeampo Lerma C.森 匡上田 純治金川 弘司
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1994 年 56 巻 1 号 p. 173-176

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抄録

本研究は, 発育鶏胚羊水(CEAm)がブタ卵子成熟用の共培養システムとして使用できるかどうかを検討するために行った. 実験1では, mTCM-199(対照)と3日目, 4日目および5日目CEAmに対して対照区のブタ卵子の成熟率が有意に高かった(P<0.001). また, 3日目CEAmのブタ卵子の成熟率が4日目および5日目のそれらよりも高い値を示した(P<0.001). 実験2では, 3日目発育鶏胚を40~70%湿度下の一般的な培養器か5% CO2気相で37℃および39℃培養器内に入れて培養した. その結果, 温度に関係なしに, 5% CO2気相下の培養器で有意に低い成熟率が示された(P<0.001). 実験3ではブタ卵子をmTCM-199(対照)と3日目CEAm内で培養し, 体外受精を行った. 3日目CEAmの精子侵入および雄性前核形成が, mTCM-199のそれらに対して有意に低い値を示した(P<0.001). 以上の結果から, ブタ卵子の成熟にCEAm内培養の利用が示唆されたが, しかし, 鶏胚の発育ステージ, 温度および気相が影響するものと考えられた.

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© 社団法人 日本獣医学会
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