1994 年 56 巻 3 号 p. 563-564
ICRマウスにおける肝臓の乳酸脱水素酵素-5(LDH-5)クリアランス能を部分肝切除により検討した. 30もしくは50%の部分肝切除の場合, LDHクリアランス能はSham群と比較して低下する傾向がみられ, 65%除去では有意に低下した. また, 血中のLDH活性は50および65%の肝切除で有意に上昇したが, 30%の肝切除では有意な上昇はみられなかった. これらの結果から, 部分肝切除後の血中のLDH活性の上昇は肝臓の異化能の低下のためであり, 肝臓がLDH-5の異化に重要な役割を有することが示唆された.