Journal of Veterinary Medical Science
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牛散発型白血病由来腫瘍細胞に対して作製したモノクローナル抗体の性状
品川 敏恵石黒 直隆堀内 基広品川 森一松井 高峯
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1994 年 56 巻 5 号 p. 827-833

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抄録

3種類の散発型牛白血病株, BLT2(胸腺型), BTL-PC3(仔牛型)およびBLS1(皮膚型)をマウスに免疫して作製したモノクローナル抗体(mAb) 38個を用い散発型および地方病型牛白血病に発現している抗原の分布について検討した. 多くのmAbは, 一部の牛および他の動物種由来の単核細胞を除き検索した正常牛リンパ球系細胞に対して, 低い反応性しか示さなかった. mAbのほとんどは, 自然発症例の牛散発型白血病由来末梢単核細胞よりは株化したT細胞株BTL-PC3およびB細胞株BL312とKU-1に強く反応した. 38個のmAbの内27個のmAbで認識する抗原の分子量がウエスタンブロット解析により決定された. mAbC419は, 正常リンパ系細胞には反応せず, 腫瘍化した細胞に特異的に反応することから, 牛散発型白血病細胞の腫瘍関連抗原を認識していることが示唆された.

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