抄録
イヌクローン化 IL-8 cDNA (pcIL-8 SRα14)をトランスフェクトした Cos 7細胞の培養上清におけるイヌの末梢血単核細胞(MNC)と多形核細胞(PMN)に対する細胞遊走活性を評価した. 被検培養上清は, pcIL-8 SRα14をトランスフェクトした Cos 7細胞 (Cos 7 /cIL-8)の培養66時間後に回収した. MNCやPMNに対する培養上清中の遊走活性は Boyden chamber変法を用い, ミリポア膜フィルター中の細胞移動距離として測定した. ペルオキシダーゼ染色においては, サイトスピンにより作製した塗沫標本のMNCのみならず, フィルター中を移動したMNCも効果的に染色された. 一方, フィルター中を移動したPMNのべルオキシダーゼ染色による染色性は弱かったが, サイトスピンにより作製した塗沫標本におけるPMNの染色性は良好であった. Cos 7 /cIL-8培養上清めMNCおよびPMNに対する遊走活性は, コントロールのCos 7培養上清に比して有意に高かった. また, Cos 7/cIL-8の培養上清はペルオキシダーゼ陰性で非付着性のMNC (リンパ球)に対して遊走活性を示したが, ペルオキシダーゼ陽性で付着性のMNC(単球)に対しては遊走活性を示さなかった. さらに, 好中球に対するCos 7 /cIL-8の培養上清の遊走活性は濃度依存性を示した. これらの結果から, Cos 7 /cIL-8の培養上清は, 好中球のみならず, リンパ球に対しても遊走活性を有することが示唆された.