Journal of Veterinary Medical Science
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Actinobacillus pleuropneumoniae 培養上清のマウスにおける防御効果
大石 英司北島 崇扇谷 年昭片山 茂二岡部 達二
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1995 年 57 巻 4 号 p. 727-731

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抄録

Actinobacillus pleuropneumoniae (App)Y-1株(血清型1型), G-4株(血清型2型), E-3株(血清型5型)の培養上清濃縮液 (cell-free-antigen: CFA) とオイルアジュバントを混合し, マウスにおける防御効果について検討した. CFA免疫マウスは, ホモの血清型の攻撃に対しては高い生存率(90-100%)を示した. また, ヘテロの血清型の攻撃に対しても交差防御能を認めたが, 生存率は低かった(20-50%). このCFAに含まれる防御抗原について検討する目的で, CFA免疫マウス脾細胞を用いて単クローン抗体(MAb)を作製した. A. pleuropneumoniae RTX-toxin (Apx) I, II, III と血清型5型菌の 莢膜抗原に対するMAbが得られたが, 溶血素中和活性を示したのは Apx Iに対するMAbのみであった. これらを用いて受身感染防御試験を実施したところ, Apx I に対するMAb投与マウスにt, App 5型菌の攻撃に対し, 延命効果が認められ, また1型菌に対しても防御能が認められたが, 最終的な生存率は低値であった. Apx II, III に対するMAb投与マウスでは, 5型菌に対する防御効果が認められなかった. それに対し, 莢膜抗原に対するMAb投与マウスでは, 70%と高い生存率を示した. さらに, Apx I と莢膜抗原に対するMAbの混合投与マウスでは, App血清型5型菌の攻撃に対しては, 完全な防御を示した.

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