Journal of Veterinary Medical Science
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ドラメクチンの牛消化管内線虫に対する糞便検査による駆虫試験
佐伯 英治石井 俊雄太田 実土屋 純夫古谷 徳次郎藤井 武
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1995 年 57 巻 6 号 p. 1057-1061

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抄録

ドラメクチン (Dectomax, ファイザー製薬) の牛消化管内線虫に対する駆虫効果を明らかにする目的で, 自然感染牛総計44頭に200μg/kgの単回皮下投与を試みた. 試験1では, ドラメクチン投与群および無投与対照群の2群におのおの21頭をあて, 投薬後 7, 14, 21日目にウィスコンシン法変法により糞便5 g中の虫卵数を算定した. 試験2ではドラメクチン投与群(23頭), イベルメクチン投与群(12頭)および無投与対照群(10頭)の3群を設け, 試験1と同様の方法で投薬後63日目までの虫卵の消長を比較観察した. また, 各群数頭については糞便のカワラ培養を行い, 感染幼虫を得た. 虫卵検査と幼虫の形態学的観察の結果, Haemonchus, Cooperia, Mecistocirrus, Trichostrongylus, Ostertagia, Bunostomum, Strongyloides および Trichuris の虫卵減少率はドラメクチン投薬後49日目まで96.1~100%の範囲で推移し, 本剤の有効性が再確認された. 本論文は, Mecistocirrus に対するドラメクチンの駆虫効果を明らかにした初めての報告である.

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