Journal of Veterinary Medical Science
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豚生殖器・呼吸器症候群(PRRS)ウイルスのPCRによる検出と型別
甲野 雄次菅野 徹清水 実嗣山田 俊冶大橋 誠一仲嶺 マチ子白井 淳資
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1996 年 58 巻 10 号 p. 941-946

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抄録

PRRSウイルスを検出するためのnested PCRを開発した. 欧州型および北米型ウイルスに共通のプライマーを設計し逆転写(RT)PCRに用い, 両型それぞれに特異的なプライマーを選択しnested PCRに用いた. 特異プライマーを用いたnested PCRは1TCID50/100μlに対応する型のウイルスを検出したが異型のウイルスとは反応せず, ウイルスの検出と型別が可能であった. 急性期の実験感染豚ではnested PCRによるウイルスの検出と肺胞マクロファージを用いた検出とは一致したが, 慢性期ではnested PCRの感度が優れていた. 自然感染豚でもnested PCRの結果が細胞培養を用いた結果と等しい場合と優れている場合とがあった. nested PCRを用いるとウイルス分離が不成功の場合でもウイルスの型別は可能であった.

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