Journal of Veterinary Medical Science
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シバヤギにおける能動的および受動的性行動とLHサージの時間的関係
岡田 美和子濱田 知宏武内 ゆかり森 裕司
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1996 年 58 巻 11 号 p. 1085-1089

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抄録

哺乳類の雌の性行動は雌の魅力度(attractivity), 能動的性行動(proceptivity), 受動的性行動(receptivity)の3要素からなり, その発現は生殖内分泌系の支配下にある. 本研究では, 雌シバヤギにおける下垂体からの黄体形成ホルモンの一過性の大量放出(LHサージ)と, 性行動の発現との時間的関係について検討した. 雌の定量化できる性行動としてproceptivity及びreceptivityを, それぞれ激しい尾振りを伴う雌から雄への接近及び雄の乗駕・交尾行動に対する雌の受容と定義した. プロスタグランジンF2α投与による黄体退行誘起からLHサージ成立まで, あるいはproceptivityとreceptivityが発現するまでの時間には個体間の変異がみられたものの, LHサージとproceptivity及びreceptivityの発現はどの個体でもほぼ同期しており, LHサージの開始時刻を0時とした場合, proceptivity及びreceptivityはそれぞれー7.4±1.7時から16.8±1.5時まで,ー2.6±1.6時から13.0±2.0時まで続くことが示された.

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