Journal of Veterinary Medical Science
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ウサギにおける抗生物質投与による下痢の発症とclostridiaの増加
工藤 由起子森下 芳行長岡 芳昭春日 文子熊谷 進
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1996 年 58 巻 12 号 p. 1181-1185

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抄録
抗生物質による下痢の発症をウサギを用いて調べた. ウサギに各種抗生物質を静脈注射にて単回投与した結果, sulbactam/cefoperazone, cefmetazole, clindamycin, piperacillin, aspoxicillinではウサギの下痢発症率が40%以上であった. sulbactam/cefoperazoneによって下痢を起こしたウサギの盲腸内容物はClostridium difficile enterotoxin検出キットに陽性反応を示すと同時にC. difficileが分離された. 一方, cefmetazoleによって下痢を起こしたウサギについてはC. difficileとの関連は認められなかった. しかし, 下痢発症個体の腸内からはclostridiaが高い菌数で検出され, その一部はClostridium innocuumとClostridium sporogenesであった.
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© 社団法人 日本獣医学会
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