Journal of Veterinary Medical Science
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6-アザウラシルの抗コクシジウム活性の特徴
小林 恒夫針ロ ニ三男岡本 勉岡田 之孝林 俊克松野 年美
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1996 年 58 巻 2 号 p. 115-120

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抄録

6-アザウラシル(AzU)の抗コクシジウム活性の特徴について調べるため, Eimeria tenella, E.necatrix, E.acervulina, E.maximaもしくはE.brunettiを感染した白色レグホーン雄ヒナを用いたバタリー試験を実施した. AzUは幼雛用基礎飼料に混合し, 供試ビナにオーシスト感染1日前から剖検時まで自由に摂取させた. AzUは, 飼料中1,000ppm以上の濃度でE.tenellaおよびE.necatrix感染に対して優れた抗コクシジウム活性を示し, E.acervulina感染に対しても飼料中濃度4,000ppmで良好な抑制効果を示した. しかし, 飼料中4,000ppm投与によるE.maxima感染に対する抑制効果はごく軽度でありE.brunettiに対しては無効であった. さらに, AzUのリボヌクレオシド体である6-アザウリジンについても飼0料中濃度1,000ppm投与で試験したところ, E.tenellaおよびE.necatrix感染に対して, 全く無効であった. AzUに耐性を示すラインのE.tenellaを用いた実験では, AzUとウリジン類縁体であるエミマイシンリボシド(EMR)に対する交差耐性が確認できた. また, AzUのin vitroにおける活性をニワトリヒナ腎細胞(CK細胞)により培養したE.tenellaを用いて調べたところ, AzUは培地中濃度100-200ppmで第1代および第2代シゾントの発育を阻止し, 変性した原虫が観察された.

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