Journal of Veterinary Medical Science
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妊娠ヤギの子宮内圧, 子宮動脈血流量, ならびに母体胎子の循環呼吸機能に及ぼすxylazineの影響
坂本 紘三角 一浩中間 認青木 幸博
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1996 年 58 巻 3 号 p. 211-217

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抄録

妊娠ヤギに対するxylazineの影響を調べるために, xylazine投与後の母体・胎子の心拍数, 動脈血圧, 動脈血pH・ガスの変化, および子宮内圧(IUP)と子宮動脈血流量(UBF)の変化を観察した. xylazine(0.2mg/kg b.w.i.m.)投与後5分で, 母体の心拍数と動脈血圧は低下し, 120分後でも有意に低下していた. 胎子では, 投与後5分でのみ心拍数の有意な低下と動脈血圧の有意な上昇が認められた. 母体においては, 投与後60分まで有意な低酸素血症と呼吸性アシドーシスが観察された. 胎子においても動脈血pHおよび酸素分圧の低下が認められたが, それは母体と比べて軽度で時間的に短いものであった. xylazine投与後2~5分以内にIUPは上昇し始め, 約15分間上昇した状態が続いた後, 周期的な上昇が頻発した. 投与後5分で母体UBFは対照値の53%まで有意に減少し, 120分後においても低い値を示していた. UBFはIUPの上昇に合わせて減少し, それに同調して, 胎子の心拍数の低下と血圧の上昇が観察された. 以上の結果より, 妊娠ヤギへのxylazine投与は, 母体の循環血液量の低下, 低酸素血症および呼吸性アシドーシスに加えて, 子宮収縮の誘発に起因するUBFの減少を招くことが示唆された.

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