Journal of Veterinary Medical Science
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ネコの膵臓を神経支配する交感神経節後細胞と知覚神経細胞の解剖学的局在性
古澤 賢彦大森 保成渡辺 徹
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1996 年 58 巻 3 号 p. 243-248

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抄録
ネコ膵臓の脾臓部あるいは十二指腸部に西洋ワサビ過酸化酵素および小麦胚芽レクチンを結合した西洋ワサビ過酸化酵素の混液を注入し, 交感神経節後細胞と知覚神経細胞を標識した. 標識された節後細胞(約25,000個)のうち91%は両側性に腹腔神経節と前腸間膜動脈神経節に存在し, 特に腹腔神経節に密集していた. 残りの9%は両側性にT5からL7の, 特にT13からL2の幹神経節に存在した. 標識された知覚神経細胞(約2,700個)は両側性にT3からL5の, 主にT10からL1の脊髄神経節に見い出された. 膵臓の2つの部位を神経支配する交感神経節後細胞と知覚神経細胞の局在に相違が見い出された. 脾臓部に注入すると左側の神経節により多くの標識細胞が見い出され, 一方, 十二指腸部に注入すると右側により多くの標識細胞が存在した. 脾臓部を神経支配する幹神経節と脊髄神経節の細胞は十二指腸部を支配するものよりも狭い範囲の神経節に集積していた. さらに, 十二指腸部は脾臓部と比べてより頭側に位置する幹神経節と脊髄神経節によって神経支配される傾向にあった. これらの神経細胞が膵臓の内分泌部と外分泌部の機能を制御しているが, 本研究で見い出された局在性の相違は腹腔内における2つの部位の位置の違いと関係しているかもしれない.
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© 社団法人 日本獣医学会
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