Journal of Veterinary Medical Science
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血精胸腺因子(FTS)による犬マクロファージおよび多形核白血球の活性化
小坂 俊文中田 陽子湯川 眞嘉粟屋 晃小野寺 節桑原 正人田中 茂男
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1996 年 58 巻 4 号 p. 323-327

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抄録

血精胸腺因子(FTS)の犬の免疫系に対する影響について, 特にマクロファージおよび多形核白血球の免疫応答について化学発光法を用いて検討を行った. FTSは白血球数および白血球百分率には影響を及ほさなかった. 全血におけるCL活性はFTS投与後72から120時間後に有意な上昇が認められ(p<0.05), 投与96時間後のCL活性は投与前の約3倍だった. 多形核白血球におけるCL活性はFTS投与後24から96時間後に有意な上昇が認められ(p<0.05), 投与48時間後のCL活性は投与前の約7倍だった. FTSはまたマクロファージ活性を投与後24から96時間の間で有意に上昇させ(p<0.01), 投与24時間後および48時間後のCLカウントは投与前の約100倍であった. これらの結果よりFTSは犬のマクロファージ及び多形核白血球に対する有効で有用な免疫賦活物質であることが示唆された.

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