MARC-145細胞で増殖した豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスは4℃, 室温および37℃でマウス赤血球に対し赤血球凝集(HA)を示したが, 牛, めん羊, 山羊, 馬, 豚, モルモット, スナネズミ, ガ鳥および鶏赤血球に対してはHA陰性であった. HA活性はウイルス材料をTween 80処理後エーテル処理によって増強された. Tween 80およびエーテル(TE)処理ウイルスのHA価はTE非処理ウイルスのHA価よりも8~16倍高く, かつより明瞭なHA像を示した. Tween 80による前処理の至適条件は, 最終濃度0.06-0.125%(v/v)Tween 80で15-60分, ついで50%(v/v)エーテルで5-15分氷中振とう処理であった. 細胞内および細胞外ウイルス材料中のウイルス産生曲線はHA素産生のそれに類似していたが, HA素産生は細胞内ウイルス材料の方が若干早かった. HA反応は抗血清によって特異的に抑制された. 豚血清のHA抑制抗体価は中和抗体価とよく相関した.