1996 年 58 巻 9 号 p. 919-920
Mycoplasma bovisの関与する子ウシ肺炎が, 過去3年間集団発生している肉用子牛飼育場に導入された48頭について, 導入後のM.bovisに対する抗体応答を経時的に検索した. その結果, 無処置のAおよびB群(A群: 16頭, B群14頭)の抗体価の幾何平均値の有意な上昇は, 導入後それぞれ63日および59日に認められた. 一方, 導入後28日から31日まで抗生物質を連日投与したC群(18頭)では, 抗体価の幾何平均値の有意な上昇は導入後248日に認められた. 以上の成績から, M.bovisによる高度汚染飼育場での伝播は容易に起こることが確認され, また有効な抗生物質を適時に連続投与すれば, 子牛肺炎の発症時期を遅延できることが示唆された.