真空
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オンライン構造解析電子顕微鏡
金谷 光一
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1991 年 34 巻 2 号 p. 83-89

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抄録
1986年度ノーベル賞受賞者,E. Ruska博士が1938年に透過型電子顕微鏡を発明して以来,各種の電子顕微鏡(反射,走査,透過走査,干渉,ホログラム,ミュラー及びトンネル型)が誕生し,医生物学を始め,金属,半導体,薄膜などの構造解析や,DNAや蛋白の分子構造の観察とその変化現象の追跡に役立っている.現在の臨床医学方面では,各種分析装置の実測データを分類整理し,直接オンライン電子顕微鏡で観察しながら,画像処理装置によって照合し,正確な微細構造による信号を摘出し,診断を行うまでに発展した.本報告では高分解能構造解析のための画像処理装置の実際と,特に高分解能撮影のためのノイズ除去,試料の汚れ,収差補正と焦点合わせ用on-line diffractometerについて説明し,フーリエ合成法によるCdSe結晶の構造解析と画像処理による三次元立体構築の実例を示す.さらにイオンビーム・スパッター蒸着薄膜構造解析のためのバンドパス・フィルターの効用を追加した.
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