日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
圧ぺん処理したモミ米の給与割合が乳用牛の養分摂取,第一胃内溶液性状ならびに窒素出納に及ぼす影響
西村 慶子中原 高士中西 良孝
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2011 年 54 巻 2 号 p. 195-201

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抄録

乳用牛における圧ぺんモミ米の給与割合が,養分摂取,第一胃内容液性状ならびに窒素出納に及ぼす影響を調べた.4頭のホルスタイン種乾乳牛を用い,対照区にはモミ米を給与せず(0%区),試験区は乾物ベースで濃厚飼料中の20%(20%区)および40%(40%区)をモミ米に置き換えて給与した.乾物摂取量に有意な区間差は認められなかった.給与飼料のデンプン含量は0%区,20%区および40%区の順に14.8%,20.9%および26.1%であったが,その消化率に区間差は認められなかった.TDN含量は0%区と比べて40%区で有意に低かった(P<0.05)ものの,TDN摂取量に区間差は認められなかった.第一胃内容液性状は,プロピオン酸比率を除き,pH,総VFA濃度,酢酸比率,酪酸比率,アンモニア態窒素濃度に区間差は認められなかった.また,糞中窒素割合は他の区よりも40%区で有意に低かった(P<0.05)が,可消化有機物摂取量当たりの第一胃内微生物態窒素合成量および血中尿素態窒素濃度に区間差は認められなかった.以上の結果から,乾乳牛に給与する濃厚飼料の一部を圧ぺんモミ米で40%まで代替することが可能なことが示唆された.

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© 2011 日本暖地畜産学会
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