日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
黒毛和種後代検定去勢牛における遺伝子多型と成長および 枝肉形質との関連性
Jomane Fortune Ntengwa石田 孝史 森本 剣介藤下 夏紀徳永 忠昭原田 宏森田 哲夫
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2015 年 58 巻 2 号 p. 217-224

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抄録

本研究は,National Center of Biotechnology Information (NCBI) のSingle Nucleotide Database (dbSNP) に 登録されている GH 遺伝子 (dbSNP rs41923484, rs134687399), SST 遺伝子 (rs17870997), GHRH 遺伝子 (rs380969504), GDF8 遺伝子 (rs383271508, rs137528458) およびLEP遺伝子 (rs29004487, rs29004488, rs29004508) 多型と成長および枝肉形質との関連性を明らかにすることを目的とした. 宮崎県家畜改良事業団において 2005 年から2013 年までに現場後代検定を受検した黒毛和種去勢牛(n=280) の生後9, 14, 20, 28 ヵ月齢時に体重, 体高, 胸囲および腹囲を経時的に測定し, 屠畜後に枝肉調査を行った. 遺伝子多型の有意差は最小自乗分散分 析およびTukey-Kramer のHSD 検定を行った. 本研究で取り上げた遺伝子の中で, GH遺伝子, GHRH遺伝子, GDF8 遺伝子 (rs137528458) およびLEP 遺伝子 (rs29004508) 多型において, いくつかの成長および枝肉形質と 有意差が認められ (p < 0.05), 成長および産肉能力における育種改良の遺伝子マーカーとして利用できる可能性 が示唆された.

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© 日本暖地畜産学会報 58(2):217-224, 2015
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