周年放牧肥育された褐毛和種去勢雄牛4頭を用いて,枝肉庫内での約3週間(18日間)の枝肉熟成 (左半丸:処理なし,右半丸:熟成処理)が枝肉歩留,部分肉重量と肉質に及ぼす影響を比較した.脱水に伴う減少量は1.9 kg であり枝肉重量は1%減少した.部分肉に分割後の減少量は12.5 kg であり部分肉重量は5.9%減少した.部分肉重量は16部位中9部位で有意に減少した.肉質に及ぼす影響を調査したところ,リブロース(胸最長筋)では破断強度の有意な低下,核酸関連物質のうちヒポキサンチン(Hx)含量の有意な増加,遊離アミノ酸総量の有意な増加(約2.4倍)とK 値の有意な上昇が見られた.一方,そともも(半腱様筋)では水分含量の有意な減少,Hx 含量の有意な増加,遊離アミノ酸総量の有意な増加(約2.2倍)とK 値の有意な上昇が見られた.可食部における衛生検査において異常は見られなかった.