2022 年 65 巻 1 号 p. 41-45
ブロイラー生産で使用済みとなったエリアンサス敷料(試験区)の堆肥化特性を評価するために,オガクズ敷料(対照区)との比較検証を行った.堆肥化開始から1日経過後に,試料温度は両区とも堆肥化進行の目安となる60℃以上となった.堆肥化が完了するまでの期間は,対照区が30日,試験区が38日であった.一方,堆肥化の進行度の指標となる試料中のアンモニア濃度は,両区で有意差は無かった.腐熟度の指標とした堆肥化後の試料の電気伝導度は両区ともに腐熟の目安とされる10mS/cm以下であった.堆肥成分としてのC/N比,全リン酸および全カリは両区で同等であった.小松菜種子を用いた発芽率は,両区ともに90%以上となり各堆肥による生育阻害は認められなかった.本研究を通して,使用済みのエリアンサス敷料は,オガクズ敷料と同様に,堆肥として利用可能であることが示された.