1985 年 28 巻 p. 11-13
ブロイラーの低コスト生産を目的とした, 無窓鶏舎と開放鶏舎を組み合わせた新しい飼育方法について検討し, 次の結果を得た。
1.試験12種の移行飼育法による発育性の比較
1) 無窓鶏舎から開放鶏舎への移行飼育方法は, 無窓・平飼いから開放・立体飼いの方法よりも, 無窓・立体飼いから開放・立体飼いの方法がやや優れる傾向にあった。
しかし, 無窓鶏舎の立体育すうは, 給餌器の不備による餌こぼしが多く, 明らかに飼料要求率が劣る結果となった。
2.試験2移行飼育と慣行飼育の発育性と経済性の比較
1) 移行飼育は慣行飼育に比べて育成率が僅かに優れたが, 発育体重は同等であった。
2) 移行飼育の経済性は, 無窓及び開放鶏舎の効率的利用により鶏舎回転率が高まり, また, 重油代約30%, 電気代が約60%節約された。
3) 移行飼育で立体飼いを実施したが, ケージ設備費を慣行飼育との粗利益差で除すると2.2年となり, これはケージの償却期間に相当する。